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嫌いになるには、時間をかけて、知りすぎてしまった。鉢植えに水を遣りながら、時折、伸びた枝や傷んだ葉を剪定をする。朝露に濡れた小さな植物たちが、こちらに意識を向けてくれることがわかる。それから、それらを窓のようにして、全く違う次元からこちら…

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1月から微熱が続き、下がらない。低血圧、低体温なので平熱は35.8℃なのだが、ここ数ヶ月は37℃前後あり、いまに至っては38℃あるかないか。病院に行くと内臓の病が疑われ、検査の結果、リンパの腫れやCPR値の変化から、腸に炎症があった形跡はあれど収束傾向ら…

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いちど、すべてがこわれたあとで、ありあわせでつくったこころなのだから、いのちがあっただけ、しあわせだとおもえ。といわれた気がしていた。いつでも。ひととひと、陰と陽、それらのはたらき、それら同士の交わりによって、母なる胎内で、それぞれが夜光…

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「いい加減、目覚めなさい。日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでるか知ってる?今の…

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「神はじめ五つの色人をつくりなせしを知らせあるべし。黄、赤、白、青、黒(紫)人なり。」おにたちについてどこかで耳にした冒頭の五色人説にも、さまざまな説があるらしいけれど、それが肌の色だったとして。たしかにかつて、そんなこともあったのかもしれ…

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すべてのものは依然としてそこにあるのに、ひとつひとつをつまびらかにしようとし、ちっぽけなかけらに切り取ってしまう。言語化するということは、つまりそういうことのように思う。このはなれわざによって、あらゆるものが秘匿される。完璧に仕上がったパ…